八重一重

今、小唄でこの唄を習っている。
検索でもしてみようかなと思ったら、次の内容が。
桜と山吹が圧倒的にたくさん紹介されているけど、小唄ではCDなどの紹介ページのみ。

『ヤマブキには実がならない?』*1

『山吹の歌』*2
この歌がとりわけ有名になった契機は、後世に『常山紀談』(江戸時代中期の、湯浅常山による歴史書)に見える
説話の中に取り入れられた事でしょう。


  太田左衛門大夫持資は上杉宣政の長臣なり。鷹狩に出て雨にあふ。ある小屋に入りて、蓑を借らんと言ふに、
  若き女の、何とも物をば言はずして、山吹の花一枝折りて出しければ、花を求むるにあらずとて、怒りて帰り
  しに、これを聞きし人の、「それは、七重八重花は咲けども山吹のみの一つだになきぞ悲しき、といふ古歌の
  心なるべし」と言ふ。持資驚きて、それより歌に志を寄せけり。

『萩』*3
「七重八重九重(ななえやえここのえ)とこそ思ひしに十重(とえ)咲き出づる萩の花かな」

『古興哥>能の関係>能とマッキントッシュ>内省を照らす花(熊野)』*4
四條五條の橋の上。老若男女貴賤都鄙。色めく花衣袖を連ねて行く末の。雲かと見えて八重一重。咲く九重の花盛り。名に負う春の景色かな。

『包丁について』*5
音曲噺の特徴は登場人物が小唄端唄都都逸などを歌うことにある。この『庖丁』では今回小唄「八重一重」を歌うが、演者によっては「梅にも春」の場合もある。この噺を十八番にしていたのは六代目円生で他に演じ手は少ない。