ところで、なんで鷺なんでしょうね。
娘の美しさを表現するためのシンボルなら、他にもあったはず。
藤娘は大津絵だけど、美しい藤の花を持たせているわけですよね。
ということで、鷺について検索してみました。
日本の文化の源流、中国ではこんな風に考えられてました。

■富・幸福・出世
中国では、あらゆる事物に特別な意味付けをして文様化しており、その種類は植物や動物、事象など多岐に渡ります。魚の文様は、中国で古くから用いられたものの一つで、「余」と同音であることから、余裕のある暮らしを意味する吉祥文とされています。また、蓮の傍らに一羽の鷺をあらわした図は、科挙連続合格(一路連科)という出世を意味する吉祥文です。
浦添市美術館HPより>
http://8761234.jp/urasoe_hp/art/tenji/jousetu/jousetu.html

同じように中国文化の影響を受けた、韓国ではこんな感じ。

白鷺 : 慈悲、世俗の超越、合格
詩人たちは白鷺の優雅な姿が好きでした。白鷺の姿は世俗を越えたように見えるからです。昔は白鷺を蓮の根と共に描き、すべての重要な科挙試験(国家試験)に合格するという願が込められていました。
<Life in Korea>
http://www.lifeinkorea.com/culture/patterns/patternsj.cfm?Subject=Animals

では、日本ではどうかというと、酒井抱一の絵がありました。

「飛雪白鷺」
山種美術館HPより>
http://www.yamatane-museum.or.jp/html-monthly/2001-12.html

中国のおめでたい絵である一羽の鷺の絵を、酒井抱一も見ていたに違いありません。
元の意味を知っていても知らなくても、鷺が一羽でいる絵を見ると、孤高の印象を受けるでしょう。
翼の白からは高潔・純粋と言ったイメージもあり得ると思います。
このように、昔の日本人は鷺を美しい娘のイメージで使用したと考えます。