古蚊屋

小唄江戸紫 中田治三郎(昭和23)より
古蚊屋 本調子
  古蚊屋の匂ひがぬけし夢の影消えのこりたる篝
  火に邯鄲ほそく草ひばり低きは誰れをあは
  れとやこたふるものは山水の筧を落ちて古いけの
  そこに蛙の秋の老飛びも得やらず鳴きもせず
  恋のぬけたる身は侘びし