小唄

心して

心して われから捨てし恋なれど せきくる涙 こらえかね 憂さを忘れん 杯の 酒の味さえ ほろにがく男心の唄ですが、そんなのイヤ〜 でも、未練たらしい人もイヤ。(^^)>

五つでも

五つでも四つでも苦もせぬ今宵 やってはならぬ無理にとめ 心のこして明の鐘 <奥付がない小唄集より>

いきなからす

粋なからすは夜明けにゃなかぬ ちょいとな 野暮なからすがめちゃになく ちょいと ちょいと ちょいと 飛んで来る <奥付がない小唄集より>

いくら口説いても

いくら口説いても戸板に豆よ いつそあんなやつあ死ねばよい <奥付がない小唄集より>

いくら口説いても

いくら口説いても張子の虎は すました顔して首を振る振る なれどその日その日の風次第 <奥付がない小唄集より>

いざさらば

いざさらば 雪見よろこぶところまで 連れてゆかりの向島 梅若かけて屋根舟に 浮いた世界じゃないかいな <奥付がない小唄集より>

いつもよし原

いつも吉原五丁町やナアおいらん道中 地廻りそゝりの潮来ぶし 店すがゞきをひくので 禿が格子の内からもしえと呼ぶわいな <奥付がない小唄集より>

いつしかに

いつしかに 縁は深川なれそめて せけば逢いたし 逢えば又 浮名立つかや やる瀬なや それが苦界じゃないかいな とかく浮世は色と酒 浮名立つともままの皮 浮いた世界じゃないかいな <奥付がない小唄集より>

いさましや

いさましや 枕にひびく太鼓の音 ちょっと手拭とり腹やぐら 四十八手もとりつくし エ もし場所があるではないかいな <奥付がない小唄集より>

稲荷の祭りの

稲荷の祭りの太鼓の音 狸つくづく考え ひとりで気をもむ腹つづみ <奥付がない小唄集より>

潮来出島

潮来出島の真菰の中で あやめ咲くとはしおらしや <奥付がない小唄集より>

伊勢の荒布

伊勢の荒布と今宵の客を 見れば見るほど しおらしや しおらしや <奥付がない小唄集より>

いくふし

幾ふしの木小屋のうちの蒸し暑き まだ漏る雨のあとぬれて 湿るむしろを女夫ござ 引きよせられて手をかりの枕 近くに蚊のむれる はらうよしなき薄物の袖の模様の乱れ草 戸のすきのぞく お月様 <奥付がない小唄集より> これは、木小屋とも呼ばれています。

一日逢わねば

一日逢わねば千日の思いもつもる夜の雪 更けて鳴子のおとづれはもしやそれかと飛び立つばかり 通う心の合い鍵に開けてうれしき胸の木戸 <奥付がない小唄集より> これにも、清元「忍逢春雪解」 の一節が最初に入っています。

一日逢わねば

一日逢わねば千日の思いもつもる春の夜も 静かに更けて冴え返る寒さをかこう袖屏風 入谷の寮の睦言も淡き火影の波うたす すき間をもるる雪颪(おろし) <奥付がない小唄集より> 清元「忍逢春雪解」 の一節が最初に入っています。 三千歳と呼ばれているのは…

お稽古納め

と言っても、特別なことはなにもありません。 今、習っている、「宵の銀座」と「木小屋」をお稽古しました。 その後、以前習った「青々と」「伽羅の香り」の譜を写させていただきました。 来年のおさらい会用に、唄の方のための三味線を2曲弾くのですが、ま…

爪弾き

小唄はバチを使わず、三味線を爪弾きします。爪で弾くわけではなくて、指の肉で弾きます。 音はそんなに違わないだろうと思って、適当に弾いてたのですが、お師匠さんがわたしの三味線の音はよい音ではないとおっしゃいました。初心者にはそういうことは言わ…

江戸の名残りを楽しむ夕べ

毎年12月に、国立演芸場で開催されているらしい。 演芸場は収容人数も少なく、このチケットは表には出ないので、出演者のつてで手に入れるしかない。 今年は、チケットないけれど、当日券ねらいで行ってみようかと思っていた。 ところが、仕事の状況で、残業…

宵の銀座

宵のネオンは薄紫に 染めて暮れゆく石畳 濡れていきませう通り雨 さよならなんて言わないで すねてあまえたあの子の肩に 銀座柳がゆらゆらと

捨て団扇 本調子

小唄江戸紫 中田治三郎(昭和23)より 捨て団扇 本調子 捨て団扇すてられし身はなかなかに秋草に啼く 虫の声あちら向く顔ふりむけばさめてはかなし 夢の影

末広 本調子

小唄江戸紫 中田治三郎(昭和23)より 末広 本調子 白扇の末広がりの末かけてかたきちぎりの 銀かなめ輝くかげに松ヶ枝の葉色もまさる深 みどり立寄る庭の池すみて浪風たゝぬ水のおも 浦山しいではないかいな

すきやちゞみ 三下り

小唄江戸紫 中田治三郎(昭和23)より すきやちゞみ 三下り すきやちゞみになんなら晒あだに鳴海の結鹿の子 あさやすゞしの萌黄の蚊帳よ上総木綿はぢやう なきものと知れぞかしマどういふても怖らしい鬼ちゞみ

翠帳紅閨 本調子

小唄江戸紫 中田治三郎(昭和23)より 翠帳紅閨 本調子 翠帳紅閨に枕ならべてたもいのう姫の口からやいの とはうまいものだと思ふうちあゝ夢か寝汗びつしより 明の鐘おまへを待ち待ち蚊帳の外七つの鐘のなるまでも

好いたお方 本調子

小唄江戸紫 中田治三郎(昭和23)より 好いたお方 本調子 好いたお方の行あへば顔はもみぢのてり蔦やたゞかつ としてあつうなる五徳鉄灸金火鉢うで入黒子起請 誓紙ハ常のことげほうの天窓へ梯子をかけまだその上に 足駄はいて傘さいて行く夜さハ富士の高嶺…

すきな小唄 本調子

小唄江戸紫 中田治三郎(昭和23)より すきな小唄 本調子 すきな小唄を爪びきさせて合の手わざに天下 とるさまと小ざけの笑ひ顔

隅田川 みの着て

小唄江戸紫 中田治三郎(昭和23)より 隅田川 みの着て 隅田川みの着て下す筏師の霞むあしたの春雨に しっぽりぬれて帰るさの桜並木の土手八丁また移り 香のさめやらぬ袂かすめて行く鳥の影も憎らし濡玄鳥

硯引きよせ

小唄江戸紫 中田治三郎(昭和23)より 硯引きよせ 本調子 硯引きよせ文かきつばたあすハ浮名を菊の花やんれ

隅田川

小唄江戸紫 中田治三郎(昭和23)より 隅田川 本調子 すみ田川すみ田川初霜のきて肌寒く鷺に鴉に 都鳥かれ野に紅葉夕景色のり合の船ぢやのり 合の船ぢやえ

簾おろした

小唄江戸紫 中田治三郎(昭和23)より 簾おろした 本調子 簾おろした船のうち顔は見えねど羽織の紋は たしか覚への三つ柏呼んで違はゞなんとせう後や 先とにこゝろが迷ふえゝえゝも自烈たい舟のうち

粋な浮世

小唄江戸紫 中田治三郎(昭和23)より 粋な浮世 三下り 粋な浮世はわしや楽しみよ命と書いた二世の 文字にじむこゝろはないわいな