三味線の楽譜集作成 鳴教大付属中生、童謡など101曲編曲

徳島県内のニュース (徳島新聞から) (2月24日付)

 鳴門教育大学付属中学校の生徒が、日本の童謡、アニメソング、ポップスから、世界の名曲までの百一曲を三味線用に編曲した楽譜集を作成した。これほど幅広いジャンルを集めた三味線の楽譜集は珍しく、校内で音楽の授業のテキストに活用、三味線に親しむきっかけづくりに貢献している。

 楽譜集を手掛けたのは、三年生の選択授業で二〇〇三、〇四年度に三味線の編曲に取り組んだ生徒計十四人。〇三年度が二人で二十曲、〇四年度は十二人が八十一曲を編曲し、楽譜集「Syamisen101 Let’s play the三味線−あなたも今からSyamisenist!!−」(A4判、百六十三ページ)が完成した。

 生徒たちが好きな曲を選んで編曲に着手。尾崎豊の「I LOVE YOU」やSMAPの「世界に一つだけの花」、大塚愛の「さくらんぼ」、「となりのトトロ」など、中学生になじみのあるポップスやアニメソングが並ぶ。他に「上を向いて歩こう」や「かあさんの歌」、「仰げば尊し」など時代を超えて受け継がれる曲も収録されている。

 楽譜集は、通常の五線譜と、指を当てる位置などを記した三味線用の楽譜を並べ、作詞、作曲者とともに編曲者として生徒の名前を書いている。

 三味線編曲の選択授業は、「知っている歌を三味線で弾くことで、三味線への親しみと編曲する喜びを味わってもらおう」と設けた。生徒たちは選曲後、調弦し、三味線で出ない音域がある場合は移調するなど、編曲作業を進めた。何曲作るかは決めていなかったが、生徒たちが競うようにして取り組み、活用しやすいよう製本化した。

 三年の向井章麿(しょうま)君(15)は「難しかったけれど、曲が出来ていく過程は楽しく、完成した時の喜びは大きかった。後輩たちには、この中の曲を弾きながら、三味線に親しみ、魅力を感じてもらえたらうれしい」と話している。
【写真説明】音楽の授業で三味線に取り組む鳴門教育大学付属中学校生=同校