とめてハ見たが

小唄江戸紫 中田治三郎(昭和23)より
とめてハ見たが 本調子
  とめては見たが利かぬ氣のかへりたいなら帰らんせ
  空はおぼろに薄ぐもり春やむかしの春ならぬ
  月もないのに花のかほ色ハ見えねど香ハうつる
  うつるその香につひうつとりマア静な晩だこと